mountain-products.com BOOKSTORE がOPENしました。
mountain-products.comが本屋さんをはじめました。
選書はアウトドア&スローライフのコミュニティレーベル YAMANOVA (ヤマノバ) が担当しています。
https://www.facebook.com/groups/YAMANOVA/
山はもちろんのこと、アウトドア、冒険、旅、ネイチャーライフなどを感じられる本をみなさんにお届けします。
みなさんに、本をとおして旅や冒険をしたり、技術を学んだり、遊んだりなど、フィールドに想いを馳せ、生きるチカラを感じていただけたらうれしいです。
FEATURESでも、本にまつわる様々な話題を取り上げていきたいと思います。
記念すべき第一弾では、フォトグラファーのGOTO AKIさんのインタビュー。GOTOさんの写真集に対する想いやこだわりをお聞きしました。
mountain-products.comの本屋さんはこちらから
https://www.mountain-products.com/mtpbooks
【著者インタビュー】フォトグラファーGOTO AKIさん - 写真集『LAND ESCAPES』シリーズ 前篇 -
YAMANOVA山本です。
mountain-products.com books、記念すべき第一弾の書籍は、フォトグラファーのGOTO AKIさんの写真集です。
今回はGOTOさん自身で運営されている出版レーベル「トラビアッジョ・パブリッシング」から出ている2冊の作品のご紹介です。
1冊目は「LAND ESCAPES」(ストア:https://www.mountain-products.com/products/5317)、
2冊目が「LAND ESCAPES - FACE 」(ストア:https://www.mountain-products.com/products/5351)。
いやはや、ぼく自身、これまでの風景写真のイメージがぶっ飛んだアート作品です。
「これってどこだろう?」というロジカルな感覚よりも地球の表情が活き活きと躍動していたり、静かにひっそりと佇んでいたりと作品そのもののチカラに引込まれます。
大げさでなくホント。
ぜひ本を手に取ってご覧ください。
mountain-products.com booksでは「LAND ESCPES」シリーズの2冊をGOTOさんの直筆のサイン入りでお届けします。
今回は、二回にわたって、GOTOさんの写真集に対する想いやこだわりをお聞きしました。
(聞き手/写真/文:YAMANOVA 山本喜昭 |写真:GOTO AKI )
開いた瞬間から旅が始まるようなイメージ
山本>
まずは、このLAND ESCAPES シリーズの写真集なんですが、
二冊とも形が違っていて、それでいながらすごいこだわりを感じる本だなあと感じるんです。
そのあたりについてGOTOさんの想いを聞かせていただいていいですか?
GOTO>
写真は質感が大事なので、写真集の紙の質にもこだわっています。
1冊目は海外と日本の写真がまざっています。
特に、旅の要素を大事にしていたので、このスーツケースのような装丁にしました。
開いた瞬間から旅が始まるようなイメージです。
今、わざわざお金をだして写真集を買う意味ってなんだろう
GOTO>
2冊目は写真集を作り続けることを考えた時に、旅の写真がインターネットで世界の僻地の映像でもタダで見れるようになった今、わざわざお金をだして写真集を買う意味ってなんだろうと考えたんです。
消費されないで長く手元においていただくことが前提なので、10年、20年たった時に味のある、雰囲気のあるものを創りたいと思ったんですね。
山本>
なるほど、10年後、20年後を見据えて創ってらっしゃるんですね。すばらしい。
GOTO>
そうですね。本棚の中で紙なので色が変化していくと思うんです。
1950〜60年代のアートブックなどでよく使われていたアートポストという紙を使っていて。
山本>
へえ〜。
GOTO>
当たり前の紙でスタンダードなんだけど、50〜60年前に出された当時のアートブックなんかを古本屋さんなんかで見てみると非常に味わい深い色合いになってたりするんですよ。
山本>
はい。
GOTO>
ぼくも買ってくれた人の本棚に長く置いてもらって、将来黄色くなるまでをイメージして白のアートポストを使って、この二冊目の本を創りました。
一冊目はスーツケースにして旅をイメージして創って、二冊目は時間の旅をイメージして時を経ても残していきたくなるようなモノになればと想って表紙の紙にこだわって創りました。
本も根底としては“時”というものがベースとしてあるわけなんです
山本>
なるほど。すばらしい。
GOTO>
二冊目の中ページは、今回、日本の写真で特に冬の写真もあったので、白を意識しました。
白がより白であることで、逆説的なフックがあって、阿蘇であれば最後の地球の大噴火が9万年前にあって、そのときの火山の堆積物の上にイロイロなものが積もって出来た大地の上に、今の僕らは住んでいるわけなんです。
コンビニとか道路とか建てたりして。
エジプトのピラミッドの建設が4千年前とかすごいと想うんですけど、それとは比べ物にならないくらい時間のたったところにぼくらは住んでいるんです。
そういう時間のたった地球の表情が作品になっているので、写真集も経年変化で色が変わって味わい深くなればいいなあ考えました。
被写体自体も時を経て今の姿があるものばかりなので、本も根底としては“時”というものがベースとしてあるわけなんです。
見えてない部分に対する意識みたいなものを感じてもらう
山本>
なんか、話しをお聞きして、改めてこの二冊の写真集を見てみると、一冊目は、スーツケースという装丁自体が旅に誘う装置の役割をしていて、二冊名はより時間という内的な旅、時間の旅を表現している装丁なのだなという印象を受けました。
GOTO>
はい。
山本>
これは、作品を創られていたこれまでの時間の中で、GOTOさんの中での気持ちとか想いの変化としてそうなったのか、単純にたまたま変えられたのか、どっちですか?
GOTO>
えっと、二冊目の写真の多くは2015年のキャノンカレンダーの作品撮りの時に同時に撮影したものなんです。
その時のテーマがエレメンツといって、光であったり、大地であったり、風であったり、山肌だったり、特定の場所をテーマにしたものでなく、線や色や光、風景を構成している要素や表層の質感で構成しているんですね。
何億年とか何万年とかいう時間があってできた風景なので、時を観る光の旅というサブタイトルがついていて、1年で消費されるカレンダーだけど、その時だけでなくずっと長い時間見るに耐える写真を撮りたいと想って創ったものなんです。
山本>
はい。すばらしいカレンダーです。
うちにも飾ってあって光を放ってます。
GOTO>
この二冊目の写真集は白い余白が多いんです。
山本>
そうですね。
この余白が逆にすごいインパクトがあります。
ページをめくる体験自体がある種の旅みたいに体感できるというか。
GOTO>
そうなんです。
見えてない部分に対する意識みたいなものを読者の方に自然に感じてもらえるような、そんな創りを意識しています。
山本>
繰り返しになりますが、いわゆる1冊目はモノをデザインされた感じですけど、二冊目は作品づくりにより深く、コンセプチュアルなものがはいっている、そしてその結果、モノとしての非常にシンプルに出来上がっている。
そんな風に感じますね。
自然に合わせて撮ると自由なんです
GOTO>
そうですね。
1冊目は海外と日本の風景が入っていたんですけど、2冊目は日本の風景だけで、どこからどこへという風に横への移動だけではなく、縦への移動のイメージですね。時の流れとか、
見えない精神的な部分といったに深く入っていった感覚です。
そして自分の中での哲学(作品に対する)が明確になったというのもあるかもしれません。
山本>
うんうん。
2冊目はリズムがより出てきてる気がします。
先ほどの話しにもあった白が効いていてる。
いきなりまっ白なページがあると思ったら、小さな写真のページや2ページ見開きの大きな写真があったりと非常にリズミカルなんです。
静かだけど、ダイナミックなリズム。
ページをめくっていて何だかワクワクするんです。
GOTO>
あのう、願わくばなんですけど、見ていただける人に「ここはどこなんだろう?」ということがどうでもよくなって欲しいんです。
山本>
あ、はい。どうでもよくなります(笑)
GOTO>
撮った人間が言うのもどうかとおもいますけど、こうやってめくっていくと、ここは何処なんだろう?と気になると思うんですけど、それ以前に目が楽しむっていうのを優先してもらいたいですね。
最後のキャプションで全部日本だって種明かししてるんですけど、見てる間はそういうことは忘れていただいて、自分たちの住んでる場所の近くがこんな景色があるんだってことを、こんな表情を魅せてるんだってことをどこかで感じていただければと思うんですよ。
山本>
はい。たしかにそうやって見てました。
GOTO>
ありがとうございます。
こうやってぼくらがしゃべっている間でも、寝ている間でも自然っていうのは常に動いていますから。ぼくは撮る時に自分はこうやってこういう絵を撮るんだってのは決めないんです。
自然に任せるんですよ。
自分中心であらかじめこれ撮るぞって勇んでいくと、結局そのとおりには撮れなくてがっかりするんですけど、そうじゃあなくて、行ったときの状況を受け入れて自然に合わせて撮ると自由なんです。
探して撮る楽しみもあるし。どこでも撮れるんです。
山本>
自然をコントロールしようと思っても無理ですもんね。
GOTO>
無理です(笑)
山本>
あるがままでありながらもご自身の視点で作品撮りをしていくんですね。
興味深いです。
GOTO>
自分側でやらないってことですね。相手に合わせるってことで。
これって人間関係も同じですよね。恋愛なんかと。
結局自分自分でやってくと大体行き詰まると思うんです。
それよりも相手があって、その人のいいところを見ようって視点があってうまくいくんだと思うんですよね。そういう視点です。
大概違うじゃないですか? 想定とは(笑)
山本>
はいはい。そうですね(笑)
GOTO>
よくベストシーズンとかいいますが、あれって人間が勝手に決めたもので、旅行産業の都合で自然からしたら何言ってるの?! って感じだと思います。
山本>
ぼくはランニングしてるんですけど、雨でもランナーって走るんです。
雨は雨の良さがあるんですよね。確かに最初は嫌な気持ちもあるんですけど、走ってみると雨ならではの気持ちよさがある。
そんな普段気づいてないちょっとした違いや気持ちよさを見つけられるのってちょっと幸せですよね。
GOTO>
そうですね。
そういうモノの見方を獲得するのって重要ですよね。写真のよさってそこにあるとも言えますし。
(後編につづく)
GOTO AKIさんの直筆サイン入り写真集「LAND ESCAPES」、「LAND ESCAPES - FACE -」のお買い求めは下のリンクにアクセスしてくださいね。
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1冊目「LAND ESCAPES」
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2冊目「LAND ESCAPES - FACE 」
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写真家 GOTO AKI 1972年川崎市生まれ。
上智大学経済学部経営学科卒業。東京綜合写真専門学校写真芸術第二学科卒業。
1993年の世界一周の旅から現在まで53カ国を巡る。現在は日本各地の風景をモチーフに地球的な時間の流れをテーマにした作品に取組んでいる。
写真集に「LAND ESCAPES」、「LAND ESCAPES - FACE-」(travaglio publishing)、個展多数。
2015年版キヤノンカレンダー写真作家。第66回全国カレンダー展。日本商工会議所会頭賞受賞。
2018年2月よりナショナルジオグラフィック誌キヤノン連載広告「テラ<地球>の声」掲載中。
武蔵野美術大学造形学部映像学科 非常勤講師。キヤノンEOS学園東京校講師。
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