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2022-06-28 火

気象の基礎知識とプロおすすめの気象サイトで「梅雨を安全に楽しむ」

梅雨だからって楽しめないわけじゃない!
毎年6月になると 夏日(25℃以上の日のこと)の日が増えてきます。湧き上がる雲・キャンプ・富士山・アルプスの雪渓と様々な夏のシーンが思い浮かび夏の楽しみに心が躍ります。そんな浮き浮きした心に一筋の暗雲がもくもく!そうです、6月は梅雨の季節です。梅雨と聞いて心躍る人はそう多くないでしょう。押し入れのアウトドアグッズがカビてしまった。せっかくの休日が雨で丸つぶれ。ネガティブな気持ちにさせてくれる季節の到来です。しかし、毎年ネガティブな気持ちでこの季節を過ごしていいのでしょうか?梅雨の時期だからこそ楽しめることもあるはずです。今回はあなたが梅雨好きになっていただく提案です。


「天気予報を活用するために気象の基礎知識を学びましょう」

「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」有名な孫子の兵法の言葉です。決して梅雨に戦いを挑んでアウトドアを楽しもうというのではありません。自然にあらがって行動しても人が勝てるはずもありません。ここは気象の基礎を学んでこの時期に安全にアウトドアを楽しみましょう。近年、雨雲レーダーの活用や気象観測データをスーパーコンピュータで分析するなど、気象予報の精度は大変上がりました。気象データもWebで手に入れやすくなりました。闇雲に梅雨=雨と認識するのではなく、雨の割合が多い時期ととらえて、上手く梅雨の晴れ間にアウトドアに出かけましょう。雨が降るメカニズムと大気の流れを理解すると飛躍的に活用能力が上がります。


気象の基礎知識 ①雲

雲が白いのはなぜ?
→光の波長以上の大きさの粒子に太陽光あたると、光が散乱して白く見える性質「ミー散乱」があります。雲は水滴や氷の粒でできているので、太陽光が散乱して、雲が白く見えます。

ポイント1 黒い雲は厚みがあって太陽光を遮ってしまうから黒く見えるので、アウトドアで黒い雲を見かけたらまもなく激しい雨や雷が来るかも!

雲が出来るのはなぜ?
大気中の水分が急激に上に運ばれて、急速に冷やされると気体から液体に変化。さらに上空は気温が低いので主に氷の粒(雲粒)になっています。

ポイント2 雲は低気圧、前線など上昇気流の発生しやすいところで生まれる。

雲から雨が降るのはなぜ?
上空の雲粒がたくさんくっつきあって、上空に浮かんでいられなくなると、地上に落ちてきて雨となります。

雨と雪の違いは?
地上付近の気温が温かいとき→雨
地上付近の気温が低い→氷の粒のまま落ちてきて雪

ポイント3 本州の3000m級高山や北海道の日高連峰では夏の終わりや秋に雪が降る。


雲の発生メカニズムは大きく分けて3つ

①冷たい空気と暖かい空気がぶつかり、暖かい空気が上昇する(前線と呼ばれるところ)


②風の影響で、空気が山の斜面を昇る(地上は晴れでも山に雲がかかる)


③太陽の熱で暖められて、空気が軽くなるために上昇する(夏の午後に入道雲が立ち上がる)


気象の基礎知識 ②低気圧と高気圧




気象の基礎知識 ③日本に四季があるのはなぜ?

夏の日本付近には赤道付近で温められた気団が流入して暖かくなります。一方冬の日本はシベリア付近で冷えた気団が流入して寒くなります。このように日本付近は暖気と寒気がぶつかる位置にあるので、四季があり、雲が出来たり晴れたりと天候が変化しやすいわけです。



ポイントをまとめると

① 空気の流れが天候に関係する。
② 空気が海上を通過してくると、湿度を含むので雨を降らせる。
例えば冬の北風は大陸から吹き付ける季節風が日本海を通過して湿度を含むので日本海側の山にぶつかってたくさん雪を降らせます。降らせた後は乾燥した空気となってさらに太平洋側に向かって吹き付けます。赤城おろしや六甲おろしはこの冷たく乾燥した風のことをさして呼ばれるようになったわけです。一方日本海側に雪が降るのは冷たい北風ですが、太平洋側に雪や雨を降らせるのは太平洋側を通過していく低気圧が太平洋の湿った空気を運んでくるからです。


気象の基礎知識があると上手く梅雨の晴れ間を見つけて出かける、今日は小雨程度なので、コケの美しい森で雨のハイキングを楽しもうなどと、梅雨時期にもフィールドを楽しむことが出来ます。同時にこの週末は「前線を伴う低気圧なので、流石に激しい雨の中行動するのは危険だから登山は中止」とか、「停滞前線が居座るので、しばらくはフィールドに出ない方が安全だね」など、次の危険性を考慮して行動の意思決定を正確にすることができます。 

①降雨がもたらす危険 
濡れに伴う身体的変調→低体温症(夏でも高山では発症します)・熱中症
*熱中症は高温に加えて湿度の要因が大きい
登山道の状態悪化→滑りやすい・地盤脆弱による落石・土砂崩壊による登山道流失
*歩行困難・行程時間の増大・通行不能

②風がもたらす危険
強風による行動障害(強風による行動制限・稜線部の転滑落・風倒木)・交通機関の乱れ




ここでmountain-products.comがおすすめする気象情報三段活用をご紹介します!

〇活用第1段 10日前~3日前
tenki.jp・Windyなど、10日前からの予報を出している気象サイトで天候の傾向を確認して、大まかな計画を立てます。

〇活用第2段 2日前・前日
天気予報サイトで気象予報とSCWの衛星画像で雨雲の画像や気温・湿度を確認して山行を実行するかどうかの判断をします。

〇活用第3段 当日
tenki.jp・Windyの天気予報で大気の状態が不安定とか、気温が上がり熱中症の危険があるなど、天候悪化の兆しや登山に適さない条件がないかを確認するとともに、SCWを確認してその日の雨の降りだす時間帯や気温・湿度を確認して対応策をあらかじめ考えて出発します。



mountain-product.comおすすめの気象予報サイトその① -tenki.jp-

tenki.jp
日本気象協会が天気予報を提供するウェブサイト。全国各地の天気予報、地震情報や注意報・警報、桜の開花予想や紅葉情報等季節に応じた暮らしに役立つサービスを提供しています。
https://tenki.jp/



mountain-products.comおすすめ その② -Windy.com-

Windy.com
チェコの企業がアメリカ国立気象局の【GFS】、ヨーロッパ中期予報センター【ECMWF】、ドイツ【DWD】、スイスの【meteoblue】が公表する気象データをもとに、全世界の気象予報を出しています。
https://www.windy.com/



mountain-products.comおすすめ その③ -SCW-

SCW
一般的な天気予報と異なり、自分で雨雲が来るとか、気温傾向とか確認する必要があり、少し気象の知識が必要です。スマートフォンに対応しており、ピンポイントで自分のいる場所の気象傾向を確認できます。
https://supercweather.com/



気象知識の備えあれば、山も街もまた楽し。

今年は是非、気象情報を活用して梅雨時期のフィールドを楽しんでみましょう!



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